東京マラソンを振り返って

人生6回目のフルマラソン、4時間49分で完走した東京マラソンを思い返してみます。

今回のレースで感じたポイントを4点。

  1. ボランティアスタッフの熟練度
  2. 海外ランナーの拡充
  3. セキュリティの強化
  4. 大盛況なEXPO

 

1.「ボランティアスタッフの熟練度」

出場したすべてのランナーが口にするであろう、ボランティアスタッフの方々への感謝の言葉。

もちろん私もその一人で、レース3日前のゼッケン受付からすでにボランティアスタッフの熱量を大いに感じ、そしてスムーズなオペレーションによってストレスなく準備に入っていけました。ランナーにとって必要とされるサポートは、レース直前の都庁周辺のスムーズなオペレーション(導線等)、コース上の給水や給食、救護、そしてトイレなどが挙げられます。それら各箇所に配置されるボランティアスタッフは常に笑顔でランナーに声をかけ、かつ的確にその役割を担い対応をしてくれます。そのおかげでランナーも安心してレースに集中できます。

このスキルと全体のマネジメントは、回を追うごとにレベルが上がっているように感じますし、ボランティアスタッフの面々も大会参加者の重要な一員として大いに楽しんでいる印象を受けました。2020東京大会でも重要なスタッフとして支えてほしいと思います。

2.「海外ランナーの拡充」

ここ数回のレースで感じていましたが、海外からのランナーが特に増えてきていて、それに合わせて沿道の応援も各国の国旗がはためき、大会に華を添えています。

アジア圏からの参加が多く、特に台湾からのランナーが毎年もっとも多く参加しています。日台の友好は自民党青年局が力を注ぐ外交なので、うれしく思いました。観光立国を標榜する日本です。6大会あるワールドマラソンメジャーズの一つでもあるこの東京マラソンは海外へ向けたインパクトも大きく、東京の名所を周るコース設定は、観光価値において世界でも屈指ではないかと感じています。

このようなメガスポーツイベントをより柔軟に活用し、東京のシティセールスに役立てる策を探りたいと思います。

3.「セキュリティの強化」

今回から選手受付時に顔写真の登録が加えられました。また、前回から個人認証のためのリストバンドを全ランナー、ボランティアスタッフに付与し、参加者の特定をより厳格にし、ランナーの衣装についても被り物のような著しく逸脱するようなウエアが制限されるなど、細かな対策が進んでいます。

コース上には例年通りの警備体制が敷かれていましたが、特段目に留まるような物々しい雰囲気はなくコントロールされていた印象です。

2020大会に向けては、ソフトターゲット警備を目的としたセキュリティの重要性が高まります。様々な視点での警備配置、抑止力の効果を持たせるような全体マネジメントが重要になってくると思います。

 

4.「大盛況なEXPO」

経済指標ではモノの消費が減少している時代と懸念されている昨今ですが、このEXPO会場での消費は、その真逆を行く雰囲気です。

EXPO会場への入場が制限されるなど圧倒的な盛り上がりで、ランニングに留まらずファッション、健康、ライフスタイル等々、様々なサービスが集結することで来場者を興奮させ、消費者へ直接アプローチし消費熱を喚起していました。私もその熱に感化され、レースで使用する腕時計を購入しました(おかげでペース管理が楽しくできました)。

現在の消費情勢は、モノからコトへの流れといった変化、加速度的なECサービスの向上など、実際に商品を手に取って購入するシーンが減ってきています。

しかし東京マラソンEXPOは、大規模イベント型であると同時に、より大勢の消費者を熱狂させるフレーム(出展ブース、デモンストレーション等)があることで、リアルな購入行動が起こることを証明しています。スポーツ産業の視点でも、この熱量と消費者を誘導するスキームは大変参考になると思います。

以上、レース前後で様々な気付きを得ることができました。

 

レース後しばらくは筋肉痛が残りましたが、回復後にはこの経験を公務に活かしていきます。東京マラソンを走り、心身のリフレッシュと合わせて様々な発見をできたことが収穫です。

ボランティアスタッフの方々からの「声掛け」には特に励まされました。「頑張ってください」「お疲れさまでした」がランナー冥利に尽きるコミュニケーションであるのは間違いありません。

そして、ゴール直後にかけてもらった言葉が、「完走おめでとうございます」でした。

この「おめでとうございます」の声掛けでレースがコンプリートできたと心から感じることができました。ボランティアスタッフの方々との交流、この関わりこそがスポーツの一番の目的のように思えた、東京マラソン2018でした。

ランナーの皆さん、ボランティアの皆さん、大会関係者の皆さん、ありがとうございました。2019大会もよろしくお願いします。