「北京五輪・日本勢の活躍に期待!」2022/02/07
連日、日本代表のメダル獲得ニュースに興奮しています。
昨年の東京大会同様、無観客、バブル方式、コロナ検査等、大変難しい状況ではありますが、厳しい環境の中においても結果を出す姿は、多くの国民に力を与えてくれます。
極限の中、自分を信じ、結果を出す。五輪の本来の意味を改めて感じることができます。
先週の開会式もとても素晴らしかったです。会場となった北京市内にある通称「鳥の巣」は、2008年、私も出場した夏季大会の開会式でも使用された場所で、当時の思い出を重ねながら見ることができました。
ただ、五輪大会は、人類社会・国際社会での意義・位置づけを見直す時期に来ているかもしれません。
自由と民主主義、人権、法の支配等、人類が歴史を通じて獲得してきた価値観を、こうした国際イベントを通じ相互に共有することができるか、五輪憲章にある大会の価値を実践できているか、今後さらに問われることになると思います。
欧米諸国はじめ、我が国は、今回の北京大会に対し外交的ボイコットを表明しています。
本来、五輪大会は各国要人が一堂に会する絶好の機会でもあります。昨年の2020東京大会もその場所として十分に機能するはずでした。
今回の北京大会を見ていると、五輪憲章の価値観に則れているかというと難しいところも多々あるように感じます。もちろんコロナ禍であり考慮すべき点はありますが、首脳交流などにも表れる中国の意図を読み解くことも重要かと思います。
選手もそういった政治的事情を感じざるを得ないでしょう。しかし、この状況下にあっても、選手たちは競技においてパフォーマンスを発揮しなければなりません。逆境においても自らを奮い立たせ限界に挑む、その姿にも五輪の意義が垣間見えます。
五輪が始まり100年以上が経ちました。
今一度、五輪憲章の精神に立ち返り、大会の意義をアップデートしていかなければ、人類にとってのオリンピックの存在意義は揺らいでいくものであると考えています。
これはメダル獲得数や記録の伸びといったレベルの話ではなく、東京・北京という極めて難しい環境下で短期間に2つの五輪を迎えた事から何を得て、そして未来をどう描くのか。そういった高い視野、人類社会の視点から考えなければならない話です。
先週、東京都東村山市を訪問した際、女子モーグル川村あんり選手の出身地ということで、街全体が大いに盛り上がっていました。初出場となった北京大会は5位となって、勇気と感動を東村山の街に届けてくれたと思います。
五輪大会の意義、スポーツの価値に対し様々な意見がありますが、私は、選手たちの真摯な姿を通じて多くの人々が繋がり思いを一つにすること、頑張る人を応援することから得られる思いは、変え難い価値だと思っています。
まだまだつづく北京冬季五輪日本代表の活躍を楽しみにしながら、その先にある普遍の価値の共有についても思いを馳せてゆきます。