東京の水辺の可能性:クルーズ船の経済効果を高めよう – 1

日本を先導する新たな産業として観光産業への期待は大きく、最近のインバウンドの増加数はまるで新興国のような勢いである。

この勢いを好機として観光ガイドやプリペイドSIMといった需要に対し様々なベンチャーが産業に参入し活況を呈している。

私、朝日健太郎は元ビーチバレーボール日本代表として、国内・国外多数のビーチで活動してきた。また引退後ビーチ・水辺と生活を結びつけて街の魅力を高める活動をライフワークにしている。

参議院議員となった今も海・水辺を経済や教育といった国民的テーマへの大事な入口として考えている私としては、もっとクルーズ船を通じたインバウンドもビジネスチャンスとしてみんな注目して欲しいと思っている。

そこで、昨今のクルーズ市況とビジネスについて投稿したい。

東京のクルーズ船発着地の一つ晴海客船ターミナルと、開発中の東京オリンピック・パラリンピック選手村

クルーズ船を通じたインバウンドの客数は、2015年が111.6万人、2016年は前年比78.5%増の199.2万人と信じられない勢いで伸びている。2016年のインバウンド総数が約2400万人であり、約8%がクルーズ船由来となっている。

—資料—
国土交通省港湾局産業港湾課 2016年の訪日クルーズ旅客数とクルーズ船の寄港実績(速報値)
http://www.mlit.go.jp/report/press/port04_hh_000163.html

日本政府観光局 2016年 過去最高の2,403万9千人
http://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/data_info_listing/pdf/170117_monthly.pdf

国土交通省港湾局産業港湾課 2016年の訪日クルーズ旅客数とクルーズ船の寄港実績(速報値)より

そしてこの勢いは2017年も衰えていない。

「Japan Cruise Report 8月15日号」を見ると、帰港回数で昨年比各月2-3割増を維持している。

—資料—
Japan Cruise Report 8月15日号
http://www.mlit.go.jp/common/001197675.pdf

2015年-2016年の約80%増からすると落ち着いたように見えるが、これは日本のクルーズ船受け入れインフラが不足しているため、需要の取りこぼしが発生しているのが天井を作ってしまっているのが原因の一つとなっている。

世界のクルーズ船は巨大化トレンドにあり、数千人が宿泊し東京タワーより長いといった、高層ビル級のサイズのものが増えている。

そのため対応できる港湾インフラが足りず、岸壁の長さ不足や接岸スケジュールが埋まっていた等で日本寄港を諦めることが増えているのだ。

国と自治体の港湾行政はこの問題に向かいあっていて、例えば東京ではお台場の先の青海地区に新客船埠頭を造成している。

—資料—
Travel Vision 東京都、新客船ターミナルビルの概要発表、22万トン級に対応
http://www.travelvision.jp/news-jpn/detail.php?id=70605

2016年2月 現地空撮

こういったインフラ整備を通じて需要の取りこぼしを無くすことで、また世界の観光需要の増加トレンドを勘案すると、クルーズ船を通じたインバウンド需要は2020年の先まで続く圧倒的な成長産業と言えるだろう。

【東京の水辺の可能性:クルーズ船の経済効果を高めよう – 2】へと続く

注:本投稿のリンクや利用した資料は、2017年8月29日時点で確認したものである。