「心のバリアフリーで、誰もが輝けるビーチへ」

「心のバリアフリーで、誰もが輝けるビーチへ」

今年もビーチスポーツの仲間と共に、ジャパンビーチゲームズフェスティバル(JBG)2018を開催しました。2014年より、ビーチスポーツの国際大会招致を目指すプロジェクトを全国で続けていますが、その中でも最も大きなイベントがこの東京お台場で開催されるJBGです。これまでのイベントではいくつかのトライをしてきました。2014~15年はさまざまなビーチスポーツを「知る」、2016~17年はトップアスリートのプレーを「観る」、そして2018年の今回はビーチスポーツを「体験する」ことを主たる目的とし、ビーチスポーツアスリートによる技術クリニックや気軽にできる体験会などをプログラムに盛り込みました。

5/3~5/5の3日間にわたり、約6万人の方々にビーチスポーツに触れて頂けました。どの競技も活況で大いに盛り上がりました。その中、世界でも初の試みとなった車いすビーチフラッグは、私も初体験でしたが車いすバスケットボールの根木さんと一緒に競技を体験し、私個人の世界観、価値観に大いに刺激を与えてくれました。

2020年東京大会に向け政府は、心のバリアフリー、ユニバーサルデザイン社会といった障がいの有無に関わらず安心して暮らせる社会創りを強く推進しています。ハード面のバリアフリーといえば、シームレスな交通網の整備、建物の設備のバリアフリー対応などがあります。ビーチにおいては、車いすが移動しやすいスロープの設置、段差の解消等の課題があります。もっとも、ビーチ空間のような賑やかで特に気持ちが高揚した人たちが集まる場においては、コミュニケーションをとりやすい空気が自然に発生します。つまり、ビーチにおいては、ハードよりもソフト、心のバリアフリーが実現されやすい環境といえるのです。実際、前述の車イスビーチフラッグにおいては、障がいを持つ人と健常者の見事なまでの融合が実現し、意識の壁が取り除かれていくことを実感できました。

今回のJBGは、ビーチスポーツで心を通わせ、ビーチから心のバリアフリーが社会全体に浸透していく可能性を感じるものでありました。

また会場は、大勢の人たちで賑わいを見せましたが、外国の方も多くお越しになっていました。しかし、貴重なビーチ資源を外国の方に体験、楽しんでもらうための多言語対応が未整備だった点等、インバウンド対策の課題はまだまだ山積みです。いずれにせよビーチスポーツの国際大会の招致、そして誰もが輝けるビーチ空間は、我が国の成長産業であり、貴重な資源であることを再認識しました。

今国会では、「高齢者・障がい者の方の円滑に移動ができる整備を促進する法律」、いわゆるバリアフリー法が成立しました。今後も観光立国・海洋立国として日本のビーチ資源活用の最大化を目指しつつ、心のバリアフリーを通じ誰もが輝けるビーチ作りに取り組んでまいります。