6月レポート

 

「自転車活用推進議員連盟」

超党派の国会議員からなる自転車活用推進議連の青空総会を開催。議員はじめ各省庁関係者や自転車関連企業が参加し、国会議事堂前の広場で、意見交換や自転車展示ブースの見学などを行った。一昨年に成立した自転車活用推進法に基づき、これまでも自転車議連は活用推進に向けた会議を行っている。本年6月に、本法案の具体的な内容を示す「自転車活用推進計画」が閣議決定され、いよいよ本格的な自転車の活用、推進がスタートするが、それに先立ち、本議連によるキックオフ的な位置づけとなる青空総会でもある。

国内の自転車活用に向けた施策として、自転車専用道路や通行帯の整備、シェアサイクルや自転車競技施設の整備、交通安全教育や啓発活動など、普及促進に向けた動きを本格化させていく。自転車活用のメリットとして、自転車は環境負荷が低く、地球に優しい乗り物であり、自転車で移動することは健康増進にもつながる。また、(新たな自転車も生まれており)電動アシスト付のロードバイク、オフロードバイク、100㎏の荷物を運搬できる自転車など高機能タイプ、バラエティに富んだユニークなタイプなど新たな自転車も生まれており自転車関連産業の今後の更なる発展も期待できる。

本議連のメンバーの一人として、新たに自転車文化の創造に寄与していく。

 

「シップリサイクル法案」

国土交通委員会では、今国会中8本の法案が審議されている。最後8番目の「船舶の再資源化解体の適正な実施に関する法律」、いわゆる「シップリサイクル法案」の審議で質問の機会を得た。本法案は、耐用年数を過ぎた船舶の解体時のルールの整備が目的であり、解体労働者の安全確保、並びに環境汚染の防止などの国際ルールを定めたシップリサイクル条約締結のために必要な国内整備を進める法案ものである。

国際海事機関(IMO)において、国際規約であるシップリサイクル条約の起草、採択に至るまで、その議論を日本が主導してきた。つまり、ルールメーカーとして、船舶に関わる国際的な流れを先導し、国際社会においてイニシアチブも持った証となる条約の採択でもある。様々な産業、市場がある中、それらの国際舞台で議論を主導できることは大変有効である。例えばスポーツに置き換えて考えると、国際競技団体などで、日本がリーダーシップをとることはその競技の国際競争力強化に直結すると言われている。ルールの改正や、変化のスピードが速い使用する用具の選定などにおいて、情報共有のスピードや、議論の先導が可能であることは、つまりいち早く国内に反映させることができ、対応するための猶予にライバルよりアドバンテージを持てるということである。

 

「国会会期延長」

150日間の国会は会期末の6月20日に、自民・公明両幹事長の協議の上、32日間の会期延長を決定し、国会で承認された。

今国会は「働き方改革国会」と位置づけられ、働き方関連法案の審議に多くの時間が費やされた。この法案の成立により、長時間労働の是正、多様な働き方を選択できる制度などが整備され、誰もが活躍できる社会の実現に向け一歩近づくことになる。

また、重要法案と位置づけられているIR関連法案もいよいよ参議院で審議に入る。いわゆるカジノ法案と呼ばれているが、この法案は賭博を合法化するための制度ではなく、MICEと言われる大規模な展示会、国際会議等を誘致できる複合施設の建設を推進するものであり、この施設の一部にカジノ設置を認め施設運営に役立て、ベネフィットセンターとして地方創生につなげていくものである。

さらに、受動喫煙防止に関する法案も審議に入る。タバコフリーオリンピックの実現のため、国民の皆さんのご理解得られるよう丁寧に説明を続けていく。この法案は2020年本番まで十分な準備の時間を確保するため、何としてでも本国会で成立をさせなければならない。6月27日、東京都都議会では、独自に受動喫煙防止対策の条例が成立したが、いずれにしても国としては、より実効性の高い制度を目指し、受動喫煙が原因で年間15000人が死亡しているこの課題を解決しなければならない。

 

「目黒区女児虐待死事件」

東京都目黒区で発生した悲劇を二度と繰り返してはならない。児童虐待によって幼い命が奪われた事件の徹底検証と再発防止に向け、国会は最優先で取り組んでいくべきだ。

私が所属する「超党派ママパパ議員連盟」(会長:野田聖子総務大臣)では事件報道の翌日に緊急会合を開き、厚生労働省、警察庁、法務省よりヒアリングを行い、国に対しての要請事項を取りまとめた。

・児童相談所や自治体担当部署の体制強化

児童相談所の専門職を含む職員数の見直しを行い、自治体への負担増とならないよう、国における財政支援。児童虐待防止対策予算の抜本的拡充。

・一時保護所や受け入れ先等の拡充

一時保護所の新増設を含め、受け入れ態勢の拡充。少人数家庭的施設入所、里親委託、特別養子縁組等の受入れ拡充。

・情報共有の徹底

児童相談所から警察や関係機関との情報共有・連携のあり方について、早期に基準を策定。転居時においては、自治体をはじめ情報共有を徹底した上で、子供の安否の目視確認や保護者への対応も連携して行う。

・親権に関する議論

日本では親権と監護権の法的概念があいまいであることから、民法に規定される親権停止の要件整理について検討する。

・警察全件共有

警察介入の必要性を的確に選別するための多機関連携組織の可能性や、警察本部への子供虐待専門部署設置の検討。

緊急会合において現場で働く方々や有識者からの意見を踏まえ、児童虐待防止対策の整理を行った。この課題解決に向け本議連に限らず、子供たちの命を一番に考え与野党超えて政策を進めていく覚悟である。

 

 

「働き方改革・TPP法案成立」

6月29日、参議院本会議において今国会の最重要法案に位置づけられている「働き方改革関連法案」と「TPP関連法案」がともに成立。前日の28日は、厚生労働委員会、内閣委員会においてそれぞれの法案審査が行われたが、野党による委員長解任決議案の提出など様々な対抗策が講じられた。与党は、十分な審議時間の確保、総理入りの予算委員会集中審議やQT(党首討論)の開催など野党の要求を最大限受け止め、丁寧に国会運営をし、委員長はじめ、各委員の努力で可決までたどり着くことができた。国会では野党による徹底抗戦が見られたが、法案成立の陰に常に国民に目を向け、国会審議に臨んでいる与党の姿を見た。

以下法案の主な内容をまとめておく。

「働き方改革関連法案」

・時間外労働(残業)の罰則付き上限規制の導入

・正規・非正規の不合理な待遇差を解消する同一労働同一賃金の実現

・高収入の一部専門職を労働時間の規制から外す脱時間給制度(いわゆる高度プロフェッショナル制度)の創設

これらは、労働者に過重な負荷を強いるものでは一切無く、労働環境の格差解消や重労働の解消を目指し、より柔軟に労働環境を整備していくものである。

 

「環太平洋経済連携協定(TPP)関連法案」

・農産物輸入増により影響を受ける畜産農家対策

・著作権の期間を著作者の「死後50年」から「死後70年」に延長

・商標の不正使用に対して損害賠償を請求しやすい制度の整備

11カ国で結ぶ経済連携において、日本の生産者や産業が一方的な不利とならないようルールを定めるものであり、加速するグローバル化に向け対応を推進するものである。