7月レポート

「2020東京大会、競技日程が決まる」

 延長国会の最終週は日本全国を猛暑が襲い、熱中症による死亡者まで出て大変厳しい気候が続いている。暑さ対策の根本的な見直しが求められている。公教育の現場におけるクーラーの設置など、子供たちの安心安全を守る対策も早急に行わなければならない。

 2年後のこの時期に2020東京大会がやってくる。東京大会における暑さ対策の準備も進んでいる。その中で最も重要なポイントが、競技スケジュールである。アスリート、レフェリー、ボランティアスタッフ、観客等全ての面々に影響を及ぼす。屋内競技であれば、駅からの導線、会場周辺の対応が求められるが、公道などを使用するマラソンやトライアスロン等はレースの時間帯設定で対応するしかない。公道を利用する競技の主なレース時刻は、50キロ競歩-午前6時、マラソン-午前7時、トライアスロン-午前8時等、気温の上がらない早い時間が設定されている。

 競技日程は、暑さ対策以外にも工夫がされている。 全体のスケジュールを見渡すと、大会前半から競技が開始され終盤にかけて盛り上がりを見せるチーム競技・団体スポーツは従来の大会通りだが、日本のお家芸とされる卓球・レスリング・バドミントンなどメダルマッチの決勝戦が日程上重ならないように調整されている。特に8月1日(土)は多くの競技の決勝が行われ、日本勢のメダルラッシュが期待される。

先日、国立競技場建設現場がメディアに公開されたが、施設・ハード面の準備は順調のようである。しかし、ボランティア確保、駐車・バス手配など輸送に関するオペレーションにはまだ不安が残る。バスケットボールやバレーボールなどは、試合設定が午後11時、午後11時半等日本の生活習慣からは若干遅い時間設定をされており、公共交通機関との連携が必要となるだろう。暑さ対策と合わせて、多くの方が参画できる安心した大会を目指していく。

スポーツ立国調査会申し入れ
日韓サッカー外交
日韓サッカー外交

「内政・外交国家ビジョンセミナー」

7月31日、参議院自民党政策審議会による、中長期的視点にたった政策を示す国家ビジョンセミナーが開催された。この前段には参議院自民党政策審議会が約1年をかけ議論し、参議院の独自性、国会での役割をより明確にする意味もふまえ、本年5月に「内政・外交国家ビジョン」を取りまとめ政府へ提出した背景がある。

この国家ビジョンをより多くの国民の方へ周知を図り、特に、若者・女性・高齢者の方へ広く普及を図るため、本日、初の試みとしてセミナーの開催に至った。冒頭、武見政審会長からのあいさつでは、セミナー参加者全員に向け、国家ビジョンを共有し、一緒に日本の未来を築いていこうという力強いメッセージが語られた。以降、出席した若者の代表者から、教育政策、女性省の提案、高齢者医療の課題、外交、和僑といった多岐にわたる意見が発表され、出席していた国会議員も意見の鋭さに舌を巻いていた。その後、片山さつき議員から内政国家ビジョンの説明と質疑応答、山本一太議員からは外交ビジョンの説明と質疑応答が行われ、国会議員と直接意見交換のやり取りができるとあって、多くの意見が交わされた。

 少子高齢化、人口減少、緊迫する東アジア情勢などの大きな社会課題を乗り越え、我が国を守っていくことが政治の大きな役目である、と各議員から意見が上がっていた。そこで私が感じたのは、この国家ビジョンの共有、実現の前提として、まず日本人としてのアイデンティティを自覚することが重要であるということである。私はスポーツを通じて世界中を渡り歩いた。そこでの経験で最も大きかった点は、自分は日本人であるという自覚の芽生えと、日本は世界の中の一つの国であるという視点である。自国という概念、日本人であるという自覚を理解することが、今の日本に特に欠けているのではと私は感じてるし、まずこの点を理解したうえで本国家ビジョンの議論に入ることが良いと思う。

今月のワールドカップサッカーを思い返してほしい。日本代表の活躍する姿に多くの国民が勇気づけられ、勝利する姿に誇りを感じたと思う。まさに、世界で活躍する日本、日本人というアイデンティティをより明確に映し出しくれるのが、スポーツのシーンでもある。もちろんスポーツに限らず、留学や、旅行等、現在は比較的安易に海外へアクセスでき、情報を得ることができる。また、日本というアイデンティティに限らず、出身地、出身校などの個人の生い立ちを大切にすることも必要であると思う。今自分がどこにいるのか、立ち位置を知ったうえで自身の考えや進むべき方向が見えてくると思っている。我々政治に関わる者は、国民一人ひとりの未来を切り拓かなくてはならない。今回のセミナーを通じ、大いに議論し、そしてこの国を前へ進めていきたい。国家ビジョン2018を契機に、参議院自民党としても新たなチャレンジをしていく。

「国家ビジョン2018」:武見敬三政審会長HPより

http://www.takemi.net/vision2018.html

「受動喫煙対策法が成立。タバコフリーの2020東京大会へ」

7月18日、参議院本会議において、賛成多数をもって健康増進法の一部を改正する法律、いわゆる受動喫煙対策法が成立した。受動喫煙を原因とするがん・脳卒中・心筋梗塞などの医療費は年間3000億円を超えると言われている。この法律により医療費が削減され、社会保障の充実につながることを期待したい。

今回の法改正による規制を記しておく。

  1. 学校・病院などの公共機関は屋内完全禁煙
  2. 会社・大手飲食店・新規店舗の原則屋内禁煙(喫煙専用室での喫煙可)
  3. 小規模(面積100平方メートル以下)の既存飲食店は、喫煙か禁煙かを選択し店頭に表示義務

以上の規制を設けて前提として20歳未満は喫煙室、喫煙可能な店への立ち入りは一切禁止であり、違反者に対して罰則を規定している。そして運用のスケジュールは3段階で行われる。

2018年   国と地方自治体が受動喫煙防止の周知・啓発
2019年夏  病院・学校・行政機関など屋内全面禁煙
2020年4月 全面施行

となっている。これら受動喫煙防止対策は一定の評価はできるものの、WHOの定める受動喫煙対策の格付けでは、日本は世界最低ランクであり、まだ規制強化の余地は十分にある。東京都の条例によって都内における受動喫煙対策は強化されることになるが、国としてもタバコフリーの東京大会を目指し、受動喫煙対策の規制強化を今後もしっかりと進めていく。

ワールドツアーお台場大会

超党派「チーム学校推進議員連盟」の設立

我が国の社会や経済の変化に伴い、子供や家庭、地域社会も変容し学校現場に関わる課題が複雑化・多様化し、学校や教員だけが課題を抱えて対応するのでは十分に解決できない課題が増えている。一方、学校が、多様な地域人材と連携・協働して、家庭や地域社会を巻き込み教育活動を充実していくことは子供たちにとってとても大切なことである。

これらを背景に、平成27年頃から「チームとしての学校」体制を創り上げるため、与党内で審議を進めてきた。解散総選挙により休止状態となったが、昨年度より議論が再開され、今回、議員立法を目指し超党派による「チーム学校」を推進する議員連盟が立ち上がった。

設立総会には全政党・会派から議員が出席し、前向きな意見が交わされた。「チーム学校推進法」の主な目的は、学校教育の水準の維持向上と、学校の関係者が児童に対する教育に、自主的かつ積極的に取り組む地域社会の実現である。

具体的な施策として

  1. 学校の現職員と専門知識等を有する者が、校長の監督のもとに校務を分担し、それぞれの知識、技能を十分に発揮し、連携・協働する
  2. 学校運営に多様な主体の協力を得て、学校の直面する諸課題に対応し、学校の教職員と学校の関係者の連携・協働を促進する
  3. 全ての学校関係者が教育における役割と責任を自覚し、自ら学校をめぐる課題に取り組む知己社会の実現

以上が立法の骨子であるが、私自身も小学校三年生、一年生の父親であり、学校との関わりは深い。そこで見えてくるのは、先生方の負担の複雑化、IoT教育、シルバー人材の活用、学校と地域の関わり等、時代の変化とともに私自身の小学校時代とは大きく様変わりしている。議員立法は、教育の質の向上を目指し、学校外部の人材を有効活用し、教員の負担を下げ、その解決に向け、教職員の定数増、スクールワーカー、スクールソーシャルワーカーの配置、サポートスタッフ、部活指導員の配置など、既に進行している各施策をより後押しするべく、「チーム学校」の整備を目指していく。

全国政令市議員研修会

IR実施法案

カジノを含む統合型リゾート施設実施法案、いわゆるIR実施法が成立した。本法は安倍政権の経済成長の柱として期待されている。平成11年にカジノ構想を掲げた石原慎太郎氏が東京都知事に当選した頃に端を発し、自民党内でも議論が進み、安倍政権によってようやく成立にたどり着いた。

 これまでの国会では幾度となく、成立が見送られてきた。民意の中にギャンブル依存症対策・カジノ機能の実効性への懸念があったためである。そのため、今国会では与野党内で丁寧な審議が繰り返された。

 IR実施法はカジノに注目が集まりがちだが、IR法設置の本来の目的は、大型展示場、大人数を収容できる会議場、ホテル、その他商業施設といった複合施設の設置により、様々なシナジーで観光・地域経済を活性化することにある。世界のスタンダードと比較しても日本の複合施設は圧倒的に不足している状況にあり、IR実施法はこの課題を解決するものとなる。

 2019ラグビーワールドカップ、2020年東京大会等、今後我が国の国際化のスピードは増すばかりである。そのために準備をしっかりと丁寧に進めていく。