4月レポート

統一地方選挙 戦いの1ヶ月間

統一地方選挙前半戦、全国の道府県議、政令市の首長議会選挙が4月7日投票で実施されました。

特に注目されたのは大阪ダブル選挙と言われた、大阪府、大阪市の首長がスイッチして立候補するというあまり例を見ない選挙でした。我々自民党はそれぞれ候補者を擁立しましたが、惜敗。維新の会が目指す大阪都構想への期待が有権者の心理に合ったのかと思います。

大阪府はこれまで、「万博誘致」や「関西ワールドマスターズ大会」「G20大阪サミット」など、府市連携で実現してきた事業がありますから、大阪都構想についてはより慎重な見通しが必要であると思います。

私の地元であります東京都では統一地方選挙後半戦において、特別区である23区、三多摩と言われる23区外の市町村議会、各首長選挙と、多くの選挙が4月14日告示、4月21日投票で行われました。

東京都では自民党が公認、推薦した約500名の候補者が立候補されて、大規模な選挙戦となりました。私自身も、朝の駅立ち、個人演説会、選挙カー同乗など、可能な限り候補者の応援に入りました。

そこで改めて感じたことは、地方選挙は住民と候補者の距離が近く、その住民の声を候補者が地方議会にしっかり届けてくれるかがとても重要だということです。また、日々の活動の中でしか住民と議員との信頼は築けないのだと再認識しました。

この選挙で多くの自民党の同志が地域の信頼を得て帰ってきました。地域の声を私もしっかりと受け止め、国の政策に繋げていく所存です。

ただ選挙のあとにひとつ懸念も残りました。

投票率の低さです。全体的に4年前の数字を下回っています。

2016年から選挙権の年齢は引き下げられて、18歳からの投票も可能になったにも関わらず、低調な投票というのは、この国の根幹をなす民主主義に大きく影響を及ぼすものであると思っています。

政権、政党支持率といった高いレベルにおける有権者からの支持、合わせて自分自身への支持、期待、信頼をどのように得ていくのか。この課題を常に意識し続けながら、スポーツマンとしてのフェアプレー精神でクリーンな政治を実践し、しっかりと民意を反映した政策実現に向け努力を続けていきます。

参議院 国土交通委員会

4月18日に国土交通委員会で「アイヌ新法」について質問に立つ機会を頂きました。アイヌの人々が歩んできた歴史的事実や文化についていかに国民に広めるか等、視察させて頂いた「アイヌ文化交流センター」関係者との意見交換の内容も踏まえ、質問を構成しました。

以下、要約したものです。

Q .これまでのアイヌ政策の取組とそれらの経緯を踏まえ、本法案の意義についてお伺いをいたします。

A .石井国土交通大臣

本法案では、アイヌの人々が先住民族であるとの認識を示すとともに、アイヌの人々の誇りが尊重される社会の実現に向けて、従来の福祉政策や文化振興に加え、地域振興、産業振興、観光振興等を含む支援を行う新たな交付金制度を創設するなど、アイヌ施策の総合的かつ効果的な推進を図るために必要な各種措置を講ずることとしております。

アイヌの人々が民族としての誇りを持って生活することができ、及びその誇りが尊重される社会の実現を図り、もって全ての国民が相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資することを目的とするものであります。

Q.アイヌ文化交流センターでの関係者の皆様との意見交換の中で、今回の法案はアイヌ民族への理解と共生への前進に大変寄与するものだと御期待をいただいている一方で、アイヌの言語や伝統文化の継承が立ち消えつつあると、そういった不安の声もいただきました。政府としてアイヌ文化への認識をどのようにお持ちでしょうか。

A .石井国土交通大臣

アイヌの人々は、独自の言語であるアイヌ語を持ち、ユーカラを始めとする口承文芸やイオマンテなどの儀礼、あるいはアイヌ文様やムックリ等の楽器などの豊かな文化を発展させてきており、このようなアイヌ文化はアイヌの人々の誇りの源泉であると認識をしております。

本法案におきましては、アイヌ施策の効果的な推進を図るために必要な各種措置を講ずることとしておりまして、これらによりアイヌの文化振興のための環境整備を進め、アイヌ文化の継承、発展に取り組んでまいりたいと考えております。

Q.現在では、このアイヌに関して漫画やアニメ、教科書にも取り上げられるなど、一部で機運の盛り上がりが見て取れます。ただ、全国的に見た場合、このアイヌとはどういった方々なのか、まだまだ十分に認知されていないのではないかと考えております。本法案においても、アイヌの人々という言葉はたくさん出てくるのですけれども、このアイヌの人々とは誰を指す言葉なのか、お示しをいただきたいと思います。

A.橋本アイヌ総合政策室長

アイヌの人々を説明する場合には様々な言い方が可能だと存じますが、一つには、古くから北海道に居住し、自然と共生する生活の中でアイヌ語、ユーカラ等様々な固有の文化を発展させてきた人々と言うことができると存じます。また、政府といたしましては、アイヌの人々につきまして、日本列島北部周辺、とりわけ北海道の先住民族であり、今日においても独自の言語、文化や民族への帰属意識などの面から民族としての独自性を有しているものと認識している次第でございます。

Q.本法案の中にも、国及び地方公共団体は、教育活動、広報活動その他の活動を通じて、アイヌに関し、国民の理解を深めるよう努めなければならないとされております。とりわけ学校教育においてしっかりと取り上げることが効果的だと私は考えますけれども、現在どのように取り組まれているのか、お聞かせください。

A.丸山大臣官房審議官

学校教育においては、小中高等学校を通じて、社会科や地理歴史科などでアイヌに関する内容が使われております。例えば中学校社会科歴史的分野において、北方との交易をしていたアイヌについて扱うことに加え、新たにアイヌの文化についても触れることを明記し、先住民族として言語や宗教などで独自性を有するアイヌの人々の文化についても触れるようにするなど、その内容の充実を図ったところであります。

Q.今般の法案に基づき、市町村がアイヌ施策推進に関する計画を作成し、内閣総理大臣の認定を受けた場合には交付金が交付されることとなっております。アイヌの人々の要望に即した実効性のある施策へしっかりと交付金が活用されることが重要だというふうに考えておりますけれども、その取組についてお聞かせください。

A橋本アイヌ総合政策室長

本法案に基づき新たに創設する交付金制度は、アイヌ文化の振興等に資する環境の整備及びアイヌの人々が抱える課題の解決のため、従来の文化振興や福祉施策に加え、地域振興、産業振興、観光振興等を含めた市町村の事業に対して支援を行うものでございます。

事業の実施主体はアイヌの人々が中心となるということが想定されますことから、アイヌの人々の要望や意見が適切に反映され、実効性のある交付金となるものと考えております。

Q.本法案では、アイヌ語で「大勢で歌うこと」を意味する「ウポポイ」と称する施設を建設中であり、いよいよ来年オープンを迎えるというふうに聞いております。この施設は、アイヌ文化の復興、民族の共生を目的としたナショナルセンターとして、民族共生象徴空間というふうに位置付けられております。

初年度より目標来場者数を年間百万人と非常に高めの設定をされております。

この目標のためには北海道外、特に東京都を始めとした人口の多い首都圏においてアイヌ文化の更なる認知度向上につながるような情報発信に取り組むことが重要かと考えますけれども、どのような取組を行われているのか、お伺い致します。

A.牧野国土交通副大臣

政府ではこれまでも、新聞や鉄道などの交通機関を活用した広告とか、羽田空港でのアイヌ舞踊の披露などのイベントの開催、また特に子供のアイヌ文化への理解促進を目的とした教育関係者へのPR活動などの情報発信を行ってきております。

今後、さらに、G20 観光大臣会合などの国際イベントや、各国で開かれている旅行博との連携、ウェブサイトを活用した情報発信についても行ってまいりたいと考えております。

Q.魅力発信に加え、この「ウポポイ」施設への国内外からの観光アクセスの改善を図ることが重要だと考えます。このため、北海道の玄関口でもあります新千歳空港のエプロン拡張や、また隆盛を見ておりますクルーズ船の受入れ環境整備を始めとした社会資本整備、また併せて観光振興などにより一層取り組む必要があると考えますけれども、国土交通省ではどのようにお取り組みになられるのか、もう一問、牧野副大臣にお聞きをいたします。

A.牧野国土交通副大臣

国土交通省といたしましては、新千歳空港の受入れ機能強化やウポポイ周辺の道路整備、室蘭市が実施する室蘭港の岸壁改良によるクルーズ船の受入れ機能の強化等を支援しております。

また、観光振興につきましては、バス運行への支援、観光地や交通機関の多言語対応や、無料WiFiの受入れ環境の整備などに取り組んでまいります。

Q.北海道以外の、特に東京には多くのアイヌの方々がお住まいだというふうに認識をしておりますけれども、そういった方々へ、例えば文化伝承の支援や生活相談を始め、教育水準の向上、職業訓練といった取組に対して、今回の法律が成立することによってきめ細やかな支援の手が届くようになるのか、確認をさせてください。

A.橋本アイヌ総合政策室長

北海道外のアイヌの人々への施策といたしましては、御視察いただきましたアイヌ民族文化財団アイヌ文化交流センター、都内に設置しておりますアイヌ文化交流センターでの情報発信、文化伝承事業、また厚生労働省の電話相談事業などが実施されているところでございます。

政府としては、北海道内に限らず、東京など北海道以外の地域におきましても、当該交付金制度について広く周知徹底して、文化伝承などの取組に対して支援を行ってまいりたいと考えているところでございます。

Q.先日の意見交換では、釧路市長がお越しになりまして、阿寒湖温泉におけるアイヌブランド化とまちづくりの計画について御説明もいただきました。釧路市は観光立国ショーケースにも認定されていて、観光立国を体現する観光地域づくり、訪日外国人旅行者を地方へ誘客するモデルケースを形成するものとして頑張られております。この釧路市の観光立国ショーケース、現在の取組状況と今後の展望についてお聞きをいたします。

A.平岡環境地域振興部長

釧路市におきましては、大自然を体感できるトレッキングなどのアクティビティー、天然記念物マリモの生息地ツアーやデジタルアートを活用したアイヌ古式舞踊プログラムの開発など、独自の文化と豊かな自然を生かした観光資源の磨き上げなどの取組が行われてきております。

観光庁といたしましては、釧路市が多くの訪日外国人旅行者に選ばれる観光地域のモデルケースとなるよう、しっかりと支援をしてまいりたいと考えております。

Q.阿寒摩周国立公園が「国立公園満喫プロジェクト」の対象に選定され、日本の国立公園を世界水準のナショナルパークとしてのブランド化を図ることを目標に、訪日外国人を引き付けるような取組を行われていると認識をしています。今後どのように運用されていくのか、お聞かせください。

A.正田自然環境局長

阿寒摩周国立公園におきましては、アイヌ関連展示の新設や多言語化等による情報提供機能の強化、多様な宿泊体験の提供に向けたグランピングの試行的な実施、民間事業者と連携した二次交通の充実等の取組を推進してまいりました。

今後は、景観再生、アイヌ文化を体感できる夜間イベントを始めとする体験型コンテンツの充実等を地域と一体となって推進することにより、引き続き阿寒摩周国立公園の魅力向上、地域活性化につなげてまいる所存です。

Q.本年はラグビーワールドカップ、来年は東京オリンピック・パラリンピックと、世界から注目される絶好の機会でもあります。このような機会を捉えて、強力にこの情報発信に取り組む必要があると考えますが、どのようにこのアイヌ文化に係る発信を行っていくのか、お聞かせください。

A.内藤文科庁審議官

来年に迫りました東京オリンピック・パラリンピック競技大会は、スポーツだけでなく文化の祭典でもございまして、御指摘のように、魅力ある我が国の文化を世界に発信するとともに、地域の文化資源を掘り起こし、地方創生や観光振興の実現にもつなげる絶好の機会となるところでございます。

この機会を捉えまして、この民族共生象徴空間、ウポポイの効果的な活用も含めまして、日本博を始めとする文化プログラムを通じまして、独創性あふれるアイヌ文化を国内外に積極的に発信し、アイヌの歴史や文化の幅広い理解の促進に努めてまいりたいと考えているところでございます。

東京レインボープライド2019

「東京レインボープライド2019」のパレードに参加しました。

総動員数約20万人と今年も例年以上の大盛り上がりをみせたイベントになっていて、LGBTをはじめとするセクシャル・マイノリティへの理解が着実に広まっている様子を直に感じることができて、大変嬉しく思いました。

「東京レインボープライド」には議員になる前から毎年参加していて、国会議員になってからは自民党内の「性的指向、性自認に関する特命委員会」に加わり議論に参加するなど政策の中でも取り組んできました。

私のセクシャル・マイノリティへの問題意識はアスリート時代にまでさかのぼります。私の現役時代はセクシャル・マイノリティに対して認識すらされておらず、話題にすら上がらない状況でした。一定の割合でその個性が存在するにも関わらず、本人の悩み、心の苦しみは計り知れないものがあったと思います。

現在、自民党では性的指向及び性同一性の多様性に関する国民の理解の増進に関する法案を立法に向けた手続きが本格化しています。このテーマについては党内でも丁寧に議論を進めて平成28年に自民党の基本的な考え方を示しています。

今回の「東京レインボープライド2019」の状況をみても社会へ広まっていくスピードが速いなと思いました。このテーマについて今後もしっかりと前へ進めていきたいと思う1日になりました。