10月レポート

令和元年台風19号激甚災害指定

台風19号は13都県に大雨特別警報を発表するなど、広い範囲で記録的な大雨をもたらし、甚大な被害を引き起こしました。当該災害を激甚災害として指定し、併せて当該災害に対する適用措置を指定する政令が10月29日に閣議決定しました。
適用される措置の概要
1.公共土木施設(河川・海岸・砂防施設・道路・港湾・漁港・下水道・公園等)、公立学校、公営住宅、社会福祉施設等の災害復旧事業、流入した土砂等や浸水の排水事業等
国庫補助率(公共土木施設等70%→83%に嵩上げ)
2.農地・農業用施設(水路・ため池・農道等)、林道の災害復旧事業等
国庫補助率(農地83.1%→96%・農業用施設92.9%→98.4%・林道80.5%→91.9%に嵩上げ)
3.農林水産業共同利用施設(農林水産物倉庫・生産資材倉庫・処理加工施設)の災害復旧事業
国庫補助率(一般災害20%→最高90%)
4.中小企業に関する特別の助成
事業の再建に必要な資金を借り入れる際に、通常の保証及びセーフティネット保証とはさらに別枠で100%を保証する「災害関係保証」を適用する等。
(普通保証2億円以内、無担保保証8000万円以内の最大2.8億円)
5.小災害債に係る元利償還金の基準財政需要額への算入等
国庫補助の対象とならない小規模な公共土木施設等の災害復旧事業に係る地方債の元利償還金を基準財政需要額に算入する。

他にも様々な措置で、被災者や被災地域への助成、財政援助を行っていき、早期復旧を支援しています。

国際バレーボール連盟(FIVB)とのミーティング

9月14日〜10月15日の期間、4年に1度の「ワールドカップバレーボール(WCバレー)」が開催されました。日本の最終順位は女子5位、男子4位となり、特に男子においては24年ぶりの好成績を納め、ラグビーW杯と並んで、バレーボールも多くの興奮と熱狂を巻き起こしました。私にも「男子バレー強いね!」とたくさん声をかけて頂き、「日本代表」の活躍は多く人たちに感動を与えてくれることを証明してくれました。
この「WCバレー」の開催期間中にFIVBと日本バレーボール協会(JVA)とのミーティングが行われ、私も出席しました。
FIVBのアリ会長は、現在の世界のバレーボールの礎を築くにあたり、日本バレーボールが大きく寄与し、バレーボール強豪国で会長の出身国でもあるブラジルは、過去の日本人コーチによる指導が原点であると、日本に対してとても友好的な面をみせてくれました。その上で、これからFIVBが向かう方向性、また日本バレーボールに対するコメントを頂きました。



1.バレーボール競技のビジネス化
経済人であったアリ会長は、常にバレーボールを経済性の観点で判断、決断されています。そして世界のスポーツ市場を獲得し、成長させていくスタンスを説明されました。
中でも運営方針で「国際的なマーケティングを実施し、共生や平和といったビジョンの上に社会価値を提供するスポーツとしてスポンサーを集め、ニーズの高い国や地域で大会を運営している」と説明されていたのが印象的でした。
また、2018年から開催している「バレーボール・ネーションズリーグ」は、軌道に乗りつつあり、さらに拡大させていくとの方向性を示しました。
そして「WCバレー」についてですが、今までこの大会に付与されていた五輪の出場権が今回から無くなりました。今まで五輪の約1年前に上位国2〜3チームの出場が確定してきたことから、各国とも特に力を入れて「WCバレー」に参加してきました。その権利が無くなったことで、「WCバレー」が今後ハイレベルな大会として存続できるか、日本で開催される意味があるか懸念されます。これからの展開を注視しなければなりません。

2.フィジカル強化指南
常に世界ランキング上位のブラジルバレーを構成する要因にフィジカルの強化があげられています。アリ会長はこれが「日本バレーのポイント」だと指摘します。
ブラジルではエイジ(年齢)ごとの強化プランが細やかに定められており、ボール練習と並行してフィジカルトレーニングが実践されています。一方、個人的な意見として、日本は「統一したフィジカル強化策」が十分ではなく、各年代ともその時その時の指導者に委ねられているように思います。
また、10代の競技環境にも課題があると思っています。
全国大会を目指すあまり、短期的な強化に陥りがちで、20歳以降の伸びに影響が出ているように思います。その理由に、U 18、U20といった年代では世界大会で比較的上位に、時にはメダルを獲得することが多いにも関わらず、トップチームとなると成績が若い世代の時より落ちてしまっています。これは10代の時に技術に偏った日本の競技環境が大きく影響しているように思います。10代の目標となる大会も、もちろん重要ではありますが、トップチーム(ナショナルチーム)が、世界で勝利することこそが1番のゴールであるならば、日本バレーの構造改革も考えなければならないと思っています。