「スポーツ政策を次のステージへ」2021/08/30
パラリンピックが開幕し1週間が経ちました。日本代表の活躍に歓喜する方、涙する方、大勢いらっしゃると思います。
その中でも、初めてパラ競技をご覧になる方も多いのではないでしょうか。
パラリンピックを主催するIPC(国際パラリンピック委員会)のビジョンは「パラスポーツを通じたインクルーシブな社会創出に向けて」です。
障害のある選手たちが競技する姿を共有することで普遍的な価値を生み出すことが大会の真の目的であると言えます。。
(このサイトに、しっかりまとめられています
https://www.jsad.or.jp/paralympic/what/index.html)
さて、国会では8月末の各省予算の概算要求にむけ、議論も終盤となってきています。国交省でも予算要求に向け、鋭意積み上げを行っています。
(国交省概算要求についてはまたの機会に)
先週、自民党スポーツ立国調査会において、次年度概算要求事項の確認と、来年度から始まる「第3期スポーツ基本計画」の検討状況について議論がありました。予算について、いくつかポイントを示しておきたいと思います。
オリパラ開催国として大会招致が決定して以降、競技力向上予算は数倍規模に拡充をされてきました。よく言われているのが、五輪大会後は強化予算が減らされて、各競技団体の財政がひっ迫するのではとの懸念の声も聞かれます。その点については、新競技の振興、冬季競技のさらなる振興、強化や、女性アスリートの支援や、NFの組織基盤強化といった、競技力強化に限った予算配分ではなく、新たなチャレンジが実践できるような施策をまとめ、予算配分できればと思います。
また、スポーツを手段と捉え、子供の体力向上、障がい者スポーツの振興、地域活性化といったこれまで取り組んできた政策をさらに拡充させることも必要であると考えています。
加えて、デジタル技術を駆使した新たなスポーツの価値創出も注目すべきです。スポーツ観戦体験の多様化をご案内の通りです。今後、さらなる熱狂を生み出すスポーツへの昇華させていく必要もあるかと思います。
スポーツ予算のポイント
- スポーツ参画人口の拡大のための環境整備
- 運動部活動推進事業
- アスリートに対するキャリア形成支援
- スポーツによる地域活性化、街づくりコンテンツ創出
- スポーツ体験向上のためのテクノロジーの活用
- 競技団体の組織基盤強化
- コロナ禍におけるスポーツイベント開催支援
等が盛り込まれています。
4年サイクルでスポーツへの関心、熱狂が繰り返されてきた経験からも、このタイミングでしっかりと持続可能なスポーツ価値創出を実践していきたいと思います。
また、日本のスポーツ政策の基盤となるスポーツ基本計画が現在審議されていて、来年度から第3期がスタートする予定となっています。
第2期スポーツ基本計画(H29~R3)では、スポーツ実施率の向上、スポーツ国際戦略、ガバナンス改革などが大きな柱として進められてきました。
この間、ドーピング違反の防止や競技団体のガバナンスコード策定、大学スポーツの振興(ユニバス設置)など具体的な政策も進んできました。
次期計画では、生活の中にあるスポーツの位置づけ、デジタルを活用したスポーツイノベーション、多様な主体の参画、民間事業・研究機関との連携など、スポーツのフレームを活用した社会価値の創出に主眼を置き、アフターオリパラを契機に日本のスポーツの景色が大きく変わる局面にあると思っています。
引き続き、スポーツ政策の議論を活発に行い、真のスポーツ社会実現に向け取り組んでいきます。