令和7年度予算
4日、令和7年度予算案、税制改正法案両案が参議院へ送付されました。
衆議院の予算審議においては終盤にさしかかり、与党修正案が国会へ再提出。この修正案には、所得税非課税枠、いわゆる「103万円の壁」のさらなる見直し、高校授業料無償化など野党案に配慮した結果となりました。我々与党としては、予算を年度内に確実に成立させることこそが経済対策であり、国民生活を守る意味でも年度内成立は至上命題です。
綱渡りの国会運営でありますが、いよいよ参議院へ予算案が送付されましたので、修正予算を含め国民に分かりやすい形で議論をしていく事が肝要であります。
現在私は国会対策副委員長を務めているので、限られた日程の中、予算審議を調整していく所存です。
ここで令和7年度予算のポイントを記しておきたいと思います。
■修正後も過去最大の予算
政府提出予算は前年度から2.6%増の115兆5400億円余となり2年ぶりに過去最大を更新していましたが、国会での修正後は3400億円減の115兆2000億円(前年比2.3%増)となりました。それでも3年連続の110兆円超え予算となり過去最大予算は維持されています。
その中でも社会保障関係費が1.5%増の38兆2770億円、防衛関係費は9.5%増の8兆円6700億円となっています。一方、税収は78兆4400億円を見込んでいましたが、税制も国会で修正。所得税の基礎控除特例によって6200億円程度減少するものの、こちらも過去最高の77兆8200億円が見込まれます。
いずれにせよ、基礎的財政収支においては赤字が続いていますので財政健全化を進めつつ、景気対策との両立を図る必要があると思います。
■地方創生2.0
石破内閣は地方創生を重要課題だと位置づけています。これまで地方創生交付金は毎年度1000億円を計上してきましたが、令和7年度は「新しい地方経済・生活環境創生交付金」として2000億円が措置されています。地方の人口減少や高齢化といった社会課題を地域地域で積極的な取り組みが求められていますので、国民全体での地方創生に対する理解の増進、機運醸成を図る必要があります。
一方、東京一極集中の議論もあります。ヒト・モノ・カネの過度な東京流入を是正するべき、との意見もありますが、23区、多摩地域それぞれが健全に発展する事は日本経済発展のエンジンであることは疑いようがありません。東京と地方の活性化の両立を図っていきたいと考えています。
■高校無償化と教員の処遇改善
小学校教員の採用倍率の低下が止まりません。また、小・中・高校すべてで採用試験倍率も低下傾向です。教員の人出不足解消に向け、処遇改善策として超過勤務手当に代えて支給されている教育調整額を現行の基本給4%から令和7年度は5%、その後段階的に10%まで引き上げることが決定しています。小学校35人学級の推進など、教員の働く環境を改善し、人材の確保につなげていく事が重要です。
また、今国会で注目された高校授業料の無償化は今年度から所得制限を撤廃し、公立私立問わず一律11万8800円が支給されます。また次年度からは私立への支援金が拡充され実質無償化が実現することとなります。授業料無償化の議論はまだ続いています。我が国の教育の在り方、また子どもファーストの考え方によって是非が問われています。今後、日本の根幹である教育の充実を目指し、予算執行をしっかりと実施していく事が重要です。
参議院での予算審議では高額医療制度や年金改革法案について議論が進んでいます。熟慮の国会を着実に進めていく上で、参議院でも国民の皆さんに開かれた国会運営に努めていきます。