10月レポート

第197回臨時国会 安倍首相の所信表明演説

「復旧・復興の加速」

9356億円の補正予算により、この夏の大きな自然災害によってもたらされた被害に対応していく。道路や河川の改修など災害復旧を加速させる。通学路のブロック塀の安全対策や全国の公立小・中学校にエアコンを設置する熱中症対策を推進し子供たちの命を守る。北海道地震により減少した観光客の方に、再度訪問してもらえるように「ふっこう割」で後押ししていく。

「国土強靭化」

記録的な豪雨・台風、異常なまでの猛暑に対応できる国づくりを進めていく。電力や交通など生活に欠かせないインフラの総点検を行い、しっかりとライフラインが維持できる強さとしなやかさを備えた国土を創り上げていく。

「農林水産新時代」

40年以上続いてきた減反政策の廃止、需要のある作物の生産の推進など攻めの農政改革を進めていくと同時に、漁業の生産性を高め養殖業の新規参入・拡大を促進することで、若い人たちが自らの意思とアイデアを持って農林水産業に挑戦できる、農林水産新時代を切り拓いていく。

「全世代型社会保障改革」

消費税率引き上げが経済に影響を及ぼさないよう、あらゆる施策を総動員していく。あわせて、来年10月から、幼児教育無償化と真に必要な子供たちへの高等教育の無償化を進め、日本の未来を担う子供たちや子育て世代に大胆に投資していく。子供から現役世代、お年寄りまで、全ての世代が安心できる社会保障制度へと今後3年かけて改革していく。

「外国人材」

全国の中小・小規模事業者の方々は深刻な人手不足に直面している。固定資産税ゼロの制度や生産性革命に向けた投資を力強く後押ししていく。同時に、一定の専門性や技能を有し即戦力となる外国人材を受け入れる入国管理法を改正し、環境の整備を進めていく。

「外交・安全保障」

6月の歴史的な米朝首脳会談によって、北朝鮮をめぐる情勢は大きく動き出している。最重要課題である拉致問題については、総理自身が金正恩委員長と向き合う。

ロシアとは、プーチン大統領との信頼関係の上に領土問題を解決し、日露平和条約の締結を目指し、日露新時代を切り拓いていく。

日中平和友好条約締結40周年の節目に、中国への訪問を経て、首脳間の往来を重ねると同時に、ビジネス協力、スポーツなどあらゆるレベルで両国民の交流を飛躍的に強化し、日中関係を新たな段階へと押し上げていく。

「新たな時代のルールづくり」

世界で保護主義への懸念が高まる中で、世界のマーケットに新たな時代の公正なルールを打ち立てることが必要であり、TPPはその先駆けである。欧州との経済連携協定により巨大な経済圏が生まれることで、おいしい日本の農林水産物にチャンスが広がっていく。これから日本は、自由貿易の旗手として新しい時代の世界のルール作りを力強くリードしていく。

「平成のその先の時代の新たな国創り」

来年、日本が初めて議長国となりG20大阪サミットを開催する。その翌年には東京オリンピック・パラリンピックと続く中、世界中の注目が日本に集まる。さらに皇位継承まで半年余りとなり、まさに歴史の転換点にあって、平成のその先の時代に向かって日本の新たな国創りを国民の皆さんと共に進めていく。少子高齢化、激動する国際情勢に真正面から立ち向かい、私たちの子や孫の世代のために、希望にあふれ、誇りある日本を創り上げる決意である。

予算額からみるスポーツ庁の施策

スポーツ庁が設立され、スポーツ行政を執り行う機関となってから3年が過ぎようとしている。スポーツ庁は「スポーツ立国の実現を目指したスポーツの振興」を掲げ、スポーツ文化の醸成、スポーツの社会価値向上を目指している。スポーツ庁の平成30年度予算は340億円であった。大枠で見ると、

  1. 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会、2019年ラグビーW杯等に向けた準備
  2. スポーツ施策の総合的な推進

に分けられる。

1の中で大半を占めているのは競技力の向上、いわゆる強化予算である。約100億

円を各競技団体へ支給し、強化活動、次世代アスリートの発掘・育成を支援している。

またナショナルトレーニングセンター(NTC)拡充整備予算36億円が組まれている。これは現行のNTCに、パラリンピック競技の環境整備を想定しており、オリとパラの共同利用化を図っている。あわせてNTC競技別強化拠点機能の強化に9億円の予算措置がなされている。全国にある冬季競技、海域、水域を使用する競技の強化拠点との連携、ネットワークの構築をし、医・科学的サポート、マネジメント機能をさらに強化していかなければならない。

2. について、近年の新しい施策として、大学スポーツ振興の推進事業に注目している。

10月にスポーツ庁より大学スポーツ改革の柱と位置付ける競技横断的統括組織(日本版NCAA)として「UNIVAS(ユニバス)」の設立が発表された。平成31年度は2億円の予算を要望しており、この施策をしっかりと進めることで大学スポーツビジネスの確立、大学における専門人材の配置など、大学スポーツの振興を促す国内体制の構築が期待される。

そして来年度新規で予算要望をしているのが、スポーツ施設のストック適正化による、地域スポーツ環境の確保である。施設の老朽化や財政難、人口減少の中でストックの適正化を図り、スポーツ施設の集約・複合化や広域連携による効果的整備、管理・運営などを推進していく。スポーツ庁は国民の健康寿命延伸の手段の一つとして、スポーツ実施率の向上を掲げている。2015年のデータによると、週一回程度の運動(ウォーキング含む)を行っている割合は41%程度であり、この数字を65%まで向上させる施策を打ち出している。H30年度は3.3億円の予算措置により、子供の運動習慣アップ支援、運動・スポーツ習慣化促進事業、スポーツ人口拡大に向けた官民連携プロジェクト等を実施している。

以上、スポーツ庁の主な施策をピックアップしてきた。国の施策としてもスポーツの役割に注目が集まりつつあるが、国家予算全体から見ると、その割合は決して十分とはいえない。また予算項目の多くが2019ラグビーW杯、2020オリ・パラに関わるものであるため、オリ・パラ終了後の2020年以降の予算確保が重要である。そのために、社会におけるスポーツの役割を経済、教育、健康など多方面で明確化し、スポーツの社会価値向上を図る政策に取り組んでいく。

自民党人事において青年局長代理を拝命

この度の党内人事において、組織運動本部に属する青年局の局長代理を拝命した。局長には、新たに石川2区の佐々木紀衆議院議員が就任され、それを補佐するべく、広島7区の小林史明衆議院議員と私が局長代理として、自民党青年局の全国活動を展開しながら党勢拡大に取り組んでいくこととなった。

青年局とは、45歳以下の国会議員や全国の地方議員、自営業者・会社員・学生などで構成される自民党員のチームであり、それぞれが対話を通して、自民党の活動を支えている。

主な活動には、国際交流をはじめ、若年層交流事業、学生部の活動、全国一斉街頭活動や各界各層との交流などがあり、青年世代の強みを生かしながら機能している。特に我が国と国交のない台湾との交流は重要なミッションであり、台湾からの要人来党の交流や青年局議員による台湾訪問など積極的にこの活動を進めている。

また、地域ごとに会議を開き意見交換を通して全国にある青年局各支部との連携を深めていくことも大切な活動の一つである。自民党青年局の幹部の一人として、決意を持ってしっかりと取り組んでいきたい。局長代理として全国の青年局メンバーと密に連携を取り、自民党としての国民への責務を果たしていく。