「今国会における環境政策のポイント」

令和6年通常国会、1月26日から150日間の日程で開催中です。

能登半島地震に対する支援に全力で取り組みながら、内外の諸課題に対応する国会となりっております。

環境省からは生物多様性、温暖化対策、資源循環に係る内容の3本の法案を予定していて、外交交渉・交流や政策現場の視察など多岐にわたる業務と共に、成立に向け全力で取り組んでいきます。

 ここでは、今国会での環境政策の重点ポイントを記します。

・生物多様性/ネイチャーポジティブ

 2022年、生物多様性条約締約国会議にて「昆明・モントリオール生物多様性枠組」が採択されました。これは、2030年までに生物多様性の損失をストップさせ、回復軌道に乗せるものです。

日本では国立公園や国定公園など、これまでも自然環境の保全や管理を行っていますが、これだけではネイチャーポジティブの実現が難しい状況です。

そこで、企業、自治体やNPOなどの民間の取り組みによって生物多様性が保全されている地域を「自然共生サイト」と認定し、その活動を支援していく事となっています。

現在は全国で180を超える取り組みが政府から認定を受け、さらなる拡大が期待されています。

今後は、この自然共生サイトが社会の中でも適正に評価される仕組みを構築していく事となります。

・温室効果ガス排出ネットゼロ/カーボンニュートラル社会の実現

 2020年、我が国は2050年カーボンニュートラル宣言をし、オールジャパンで脱炭素の取り組みを強力に推進していく事となりました。

この具体化のためのキーワードが「くらし」と「地域」です。

 「くらし」は、個人の生活から脱炭素の推進です。その指針となる国民運動が「デコ活」となります。脱炭素型の製品需要の喚起、住宅や建築物の脱炭素化や商用車の電動化などを推進していきます。

 「地域」では、脱炭素化と地域課題を同時に解決する「脱炭素先行地域」の取り組みを推進し、その好事例を横展開して地域での脱炭素を加速化していきます。環境省ではこの広がりを「脱炭素ドミノ」と呼び、行政と民間の連携をさらに強化していきます。

・循環経済社会/サーキュラーエコノミー

 持続可能な社会に必須となる産業構造は、資源循環と経済成長の両立です。川上の産業から川下の産業までサプライチェーン全体で循環経済を構築していく事が重要です。

資源管理から調達、設計、製造、流通、廃棄、リサイクルといった一連の流れをより効率的に行い、再資源化を高度化していく事が求められています。

サーキュラーエコノミーは我が国にとって経済安全保障の観点からも重要な政策となります。また、新たな産業創出も期待されていて、これまでの概念にとらわれない産業構造を目指していきます。

環境省の不変の原点は「人の命と環境を守る」です。公害健康被害対策、花粉症対策、PFAS対策、海洋ゴミ対策など時代の要請に応じ対応します。

また本年4月からは熱中症対策が新たに運用されます。異常な高温時には特別警戒情報の発出、自治体や民間によるクーリングシェルター(暑熱避難所)の設置など、熱中症による被害を低減させます。ここ数年、熱中症による死亡者数は1300名前後で推移しています。この失わずにすむ命を守っていきます。

東日本大震災からの復興・再建を引き続き進め、被災地の環境と被災された方々の生活をとり戻すべく全力で取り組んでいきます。ALPS処理水に係る海域モニタリング確実に行い、住民の方々の不安解消、風評払拭に努めてまいります。処理水の放出から数ヵ月が経過していますがモニタリング調査結果は基準値を大きく下回る結果となっており、今後も丁寧な説明と透明性のある情報開示を続けていく事が重要です。

以上、今国会における環境政策のポイントをまとめました。社会の変化とともに環境省に求められる役割は変化を続けます。その都度、柔軟に対応していく事が国民の安心安全、そして我が国の発展に必要となります。環境省の不変の原点をもとに、未来志向の政策に取り組んでまいります。